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グッバイ、レーニン! 客観的主観だと感じた

えーと、東西ドイツ統一を時代背景とした映画、グッバイ、レーニン!です。
井筒監督絶賛のせいで、恵比寿の映画館に足を運んでもなかなか入れず、面倒だからDVDを待ちました。
同僚の方にパンフレットを見せてもらったのですが、すっごくオシャレでしたねー。あれは欲しいかも。

で、内容ですが、私は歴史モノとしては、×。アクが弱すぎる。メッセージ性も私みたいな鈍感な人間には伝わりにくかったですね。唯一、レーニン像のシーンだけはガツン!とした衝撃を受けましたし、お母さんの気持ちを考えると、もう自分がパニクっちゃいそうでしたが、ストーリー的にそのシーンにいろいろ絡めたりとか、引き伸ばされたりしなかったのでにがっかりでした。
じゃあ、なんだよ?ということになると、やはりヒューマンのカテゴリかなと。

グッバイ、レーニン!

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で、ヒューマンもので、親の死にたいする息子の行動、となると、私は「ビッグフィッシュ」と比較してしまいますね。
似ているようで、まったく違います。この二つ。

ビッグフィッシュは主人公が「親を好きと自覚できない」のです。あまり行動をおこさず、自分の中で考えちゃいますし、「なにか行動を起こすのは、基本的に自分の気を済ますため」なのですね。死にかけの父親のことを考えての行動ではありません。しかし、ラストにそれがすべて「父親」に還元されるのです。
つまり「自分の気を済ますために動いてたんだけど、それが実は父を理解することにつながり、結果的に父はとても幸福な人生を全うした」のです。

グッバイ、レーニン!は主人公の奔走はすべて「親のため」なのです。母親にショックを与えないため、生きてもらうためにバカなことまで平気でします。しかし、実は、この奔走は「自分のためだった」のです。「お母さんのためにすることはお母さんが好きな自分のため」ではなくて、「お母さんの気を済ませるためにしていることだと思ってたけど、実は自分の隠れた理想を実現していた」のですね。

また、
ビッグフィッシュは「限りなく主観的な物語」です。

話の軸は父親の人生の回想が、おとぎ話チックに進められていくというものですが、それも「父親の主観」に他ならないですし、息子も息子で「あくまでも自分の主観」で父を、父の物語を受け止めて行きます。
だから、見ているほうもモロに感情移入してしまうのです。
出番が少ない母親にすら感情移入してしまうほどの全員主観っプリです。全ての登場人物の中に入り込めてしまう映画でした。
この映画の主点は、「ファンタジックな恋愛もの」ではないんですよ!「主観と記憶と存在の関係」なのですよ。
そうして、主観は受け継がれました。息子にも、その息子にも、映画を見た私にも!
ちなみに、この映画を見た私の一番の感想は、
「過去とは、記憶である。」でした。「過去とは、幻影である」とも言い換えられるかもしれませんね。
「その人間が、思い込んだものが、過去になってしまう」のですよ。実際はどうかは、わからないですよ?でもね、「実際」を決めるのも人ですからねー。「事実は人の数だけある」とも思いましたね。
そうして、それは「楽しいものであってもいいじゃない?主観次第では人生はまるでおとぎ話だ!」ということかなと。

では、グッバイ、レーニン!はどうか?「限りなく客観に近い主観の物語」だと感じました。
息子の、親の死に直面したときの行動をコミカルに、シリアスにいろいろな角度からとらえていきます。それに対する周りの対応すら、そうです。
そこに、息子の感情はほとんど語られません。かれは、「目的」に向かって、ひたすら行動するのです。
その行動は彼の主観によって、成り立ちますし、最後は、「母のために作った世界は自分の願った世界」だと自分で気がついているようですが、だから、「どうだったか」はまるで語られません。

つまり、彼は親のタメの行動を続ける中で、気がついちゃったんです。「あ、コレ、俺のためのイニシエーション(儀式)だったんだあ」って。それすらも、映画内で語られているのです。
主観を語っているようで、とても客観的な登場人物たちだと思いませんか?愛しすぎてる親の死に直面してですよ?
さすが、ヨーロッパなのかな?
個人的には中途半端な気がしましたけどね。どーなんでしょうね?テーマを絞り過ぎないようにして、いろんな角度から見られるように工夫してあるのでしょうかね?だから全てのテーマを明示的に掘り下げていないのでしょうか?

しかし、そういった意味でいうと、「ビッグフィッシュ」も観かたでいくらでも顔を変えることができる映画だとも思いますねー。

私の書き方をみれば、一目瞭然だと思いますが、「ビッグフィッシュのほうが好き」です。でも、「グッバイレーニン」のほうが、きれいだし、オシャレだし、雰囲気があります。

あらすじ

東ドイツを愛する国民党の母親が心臓発作で倒れてしまい、8ヶ月こん睡状態に陥る。その間、東西ドイツは統一してしまったが、母親はそれを知らずに目覚める。今度心臓発作が起きたら母親は死んでしまうかもしれないと医師に言われ、主人公は、母親がショックを受けることをすべて隠そうとする。
それは、東西ドイツが統一したことを隠すということであった。そこから、主人公の奔走が始まる。
ピクルスを東ドイツ時代のビンに詰め替えたり、古新聞を購入したり、最後は友達と組んでニセの東ドイツニュース番組を作って母親の部屋のテレビに映し出す・・・などなど。

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コメント

お久しぶりにコメントします。弓木です。
『グッバイ・レーニン』、僕もやっぱりイマイチでした。ていうか、たぶんマーさんより点が辛い。中途半端だというところは同感です。
ただ、看護婦ララ役のチュルパン・ハマートヴァは可愛かった! 『ルナ・パパ』で主演した彼女は、僕の大好きな女優です。この映画でもとってもキュート。(ちなみに『ルナ・パパ』で彼女の兄役を演ったブライプトロイは、『ラン・ローラ・ラン』でローラのマヌケな恋人も演ってます)。
『グッバイ・レーニン』に話を戻すと、未完成っぽいながらこの映画がアタったのは、やはり「東ドイツの葬送」という主人公の行動が、多くの人(とりわけヨーロッパ人)に共感されたためだと思います。最近のヨーロッパ映画では、他にも難民の問題とか、政治的に切実なものが多いですよね。

ところで一方、『エヴァ』問題ですけど、僕はこれまたやはりTV版ラストの支持者。「舞台装置」をみんな片づけて現実に還る…という話法には感心しました。あれが一般に理解されなかったのは残念! 絶望真っ暗な映画版は不支持です。

うちの「弓木的批評」10/4記事でも、ちょっと『エヴァ』について触れてみたので、見ていただけると幸いです。ではまた。


投稿: 弓木暁火 | 10月 26, 2004 01:43 午前

弓木さん、こんばんわー。
グッバイ、レーニンはつまらないわけじゃなかったんですが、最高ではなかった、と思いましたね。
ただ、「その辺の映画よりおもしろいか?」ときかれると、「うーん・・・」と返事に困ります。
「サイン」とかよりは面白いと思うんですが・・・。
まあ、個人的に言わせてもらえば、「3代目はクリスチャン」よりは、面白かったかな?
そんな意地悪をいってはいけませんかねえ。井筒に。ゲロッパはまるで見る気なし!

投稿: マー | 10月 27, 2004 01:28 午前

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Griffiths, Kirsty
http://www.annasplace.me.uk

脱オシャレ映画宣言

投稿: Darrel Mercado | 10月 18, 2007 07:10 午前

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脱オシャレ映画宣言

投稿: Kristy Buck | 10月 20, 2007 03:35 午前

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